2016年7月12日火曜日

企業内プライベートWindowsストア活用のすすめ

 連載5回目となる今回は、アプリケーション配信基盤「ビジネス向けWindowsストア」の後編として、実際に簡単なユニバーサルWindowsアプリを作成し、ストアへの公開や企業内プライベートストアに登録するまでのプロセスを紹介する。

企業内アプリとビジネス向けWindowsストア

前回の「企業内プライベートWindowsストア活用のすすめ(前編)」では、パブリックなWindowsストアに公開されているアプリの中からいくつかビジネス向けWindowsストアに登録し、企業内のプライベートストアを構築する手順を解説した。いわば「アプリのセレクトショップ」を企業内に開設できることがお分かりいただけただろう。

 では、企業の内製アプリやパブリックなWindowsストアで非公開(プライベート配信)のアプリの場合はどのようにして配布するのかというと、それもビジネス向けWindowsストアからできるようになっている。もちろん、Windows 8/8.1時代と同じく、Windows 10でもアプリをサイドローディング(ストアを介さずに直接配布)することも可能だが、ビジネス向けWindowsストアを配布基盤に使うことで、よりセキュアで安全に展開できる。
 今回は、ビジネス向けWindowsストアに特定の企業向けのLOB(基幹業務)を登録し、プライベート配信するシナリオを想定して解説する。

ビジネス向けWindowsストア利用の流れとメリット

LOBアプリをビジネス向けWindowsストアで配布するまでの大まかな流れは次の通り。
  • アプリ開発者がWindowsストアに「特定の企業向け」としてアプリを登録する。
  • 登録が完了したアプリを、ビジネス向けWindowsストアの管理者が在庫として登録する
  • 各ユーザーが端末にアプリを導入する

 アプリをWindowsストアから配布することには、サイドローディングで配布することと比べて、いくつかのメリットがある。
  • セキュアである。後述するが、アプリをストアに申請した際にセキュリティテストが実施される。このためWindowsストアから導入したアプリは安全が保障される
  • 配布そのものが簡単。ストアからセルフサービスでアプリをインストールできるため、サイドローディングに比べて配布する側の手間が少ない
  • アプリを自動更新できる。アプリの更新版が登録された際に、各端末のアプリを自動的に更新する機能を備える

 ビジネス向けWindowsストアからLOBアプリをプライベート配信するためには、アプリ登録時に「特定の企業向け」とするだけであり、ストアに登録するプロセス自体は公開アプリと同じである。このため、パブリックなWindowsストアで公開されるアプリと同様に、LOBアプリであっても上記のメリットを受けることができるのだ。
 次に、具体的にLOBアプリをビジネス向けWindowsストアに登録する手順を見ていこう。

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