2016年7月14日木曜日

Windows 10 ビルド10240時はアプリケーションの設定のみ抑止されていた「保存場所」だが、ようやくアプリケーションの保存先が選択できるようになったもメジャーアップデートが備える特徴の1つだ。「設定」の「システム\ストレージ」で設定を変更すると、別ドライブに対応するフォルダーが自動生成される。
まずユーザー名を持つフォルダーは、「保存場所」で選択したドキュメント/音楽/画像/ビデオ用サブフォルダーが作られるものの、既存ファイルは移動しない。そのため、タブレットなどメインストレージが乏しくSDカードなどで容量不足を補っている環境の場合、手動でファイルを移動した方がよい。
また「WindowsApps」フォルダーは文字どおりユニバーサルWindowsアプリのバイナリを格納するフォルダーである。こちらを直接参照する機会は少ないため説明は割愛するが、興味深いのは「WPSystem」フォルダーだ。サブフォルダーを開いてくと、セキュリティ識別子\AppData\Local……と%LOCALAPPDATA%フォルダーの一部を確認している。
察するところ、設定変更後にユニバーサルWindowsアプリをインストールした場合、そのアプリケーションが必要とするデータは、既存のドライブではなく保存先ドライブに格納する仕組みなのだろう。
ビルド10240でも「オフラインマップ」は保存先ドライブの変更をサポートしていたが、今回改めて確認したところ、保存先ドライブに「MapData」フォルダーを生成して、地図データを格納するようになった。もっともWindows 10の地図機能は前節でも述べたように、日本に関しては相変わらず使い物にならないため、早期のデータ刷新を期待したい。

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さて、ここからは節立てする方ではないものの、変化が顕著なポイントを取り上げていく。まず地味ながらも個人的に気に入っているのが環境変数Pathの編集機能である。既定設定であるシステム環境変数Pathを開くと、セミコロンで区切った文字列を1行単位で編集可能になるというものだ。
プリンターの動作に関しても変更が加わり、「デバイス\プリンターとスキャナー」に<有効にすると、最後に使ったプリンターが通常使うプリンターになります>という項目が加わった。従来のWindowsと同じく"既定のプリンター"を固定する場合はオフにしておくとよい。
「デバイス\USB」にも<USBデバイスへの接続に問題がある場合に通知する>が新たに加わった。こちらはビルド10547で実装した機能だが、今のところUSBデバイスにまつわる通知を目にしたことがない。おそらくだがUSBデバイス用ドライバーの未検出やデバイスドライバーがエラーを返した場合、あとは以前のWindowsでもあった「高速ではないUSBハブに接続されています」といった類のメッセージを通知するのではないだろうか。
目に付かない部分ではメモリー管理方法の変更も新機能の1つとなる。プロセスごとに存在する未使用ページを圧縮することで、空き領域を確保する仕組みを供え、Aul氏は「圧縮ストア(Compression Store)と呼ばれる新しい概念を追加した」と説明している。つまりベージコレクターをシステムレベルで組み込んだと考えると分かりやすいが、物理メモリーの追加が難しいタブレットや2-in-1 PCでの利用環境が改善すると捉えて間違いなさそうだ。
また、メジャーアップデート適用後のISOイメージファイルから、Windows 10を新規インストールする場合、Windows 7/8.xのプロダクトキーが使用可能になっている。これまではWindows 7/8.xをクリーンインストールし、その上でWindows 10にアップグレードしなければならなかったが、新規インストールを頻繁に行うユーザーには至極便利になるはずだ。
ただし、Windows 7/8.xからWindows 10への無償アップグレードは、あくまでも無償アップグレードから1年感に限定されている。Microsoftが猶予期間を設けない場合、2016年7月29日以降は本プロセスを使用できないと、自社のコミュニティサイトでFAQを公開している。なお、その際のライセンス認証方法は「デジタル付与権利」となる仕組みだ。違いに関してはこちらをご覧頂きたい。

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